2014/02/05 Category : 創作*詩*小説 らぶらぶ 「たいへんです! 愛着がなくなったんです!!昨日、何もかも捨てました。家財道具はなくなって空っぽなんです。粗大ごみを捨てるのにお金がかかるということがゆるせません。お金に換算できる愛情なんです。そうなんです。私は粗大ごみ収集の価格を見て、自分の愛情について知りました。あるいは質屋です。質屋に売りに出したものの値段を見てショックを受けました。私はなんて薄情なんだ! と。特定のブランドに対する愛情を持っていたしかし、その愛情にたいした価値はなく私の役に立つものではなかった。それがわかってしまったら、なんとはかないものだろう!その程度のものだからこそ手放すことに抵抗はなかったのかもしれません。かけがえのないものはプライスレス といいます。その通りだと思います。問題は、どうすればプライスレスという状態にできるか、ということで、私の頭には常にスカウターかレジスターがついていて、色々なものを値踏みしてしまうんです。その値段に従って愛着が違ってくる同じ値段のものに区別はないんです。その程度の愛情なんです。そこで私は思いました。お金が無くなればよいと。そもそもおかしいじゃないですか! お金さえなければ物に価値なんてもの定める必要はなかったし、デフレとかインフレとかスタグフレーションとか言わずに済んだんじゃないか。全部お金が悪いんです。間違いありません。つい先ほど、財布に穴が空いて気が付いたんです。穴が悪いのではない。落ちるお金が悪いんだと。悪は滅びる。地獄の穴に吸い込まれる。そうでしょう? そういうことなのでしょう?だから、思ったんです。世界に大きな穴が空いてしまえばよいと!全部落っこちてしまえばよいんです。価値のない、愛のない、ネームバリューとか希少性とかそういうものは全部穴の中に落っこちて、地獄の業火で焼き尽くされればよいと。私はゴミ焼却工場の煙突から立ち上る煙に従って、天国に行けるような気持ちでいます。・・・ 残念なことに、私の足は地面から浮かぶことはできませんでした。わたしに羽根があればよいのに。天使になりたい。愛のキューピットになるんです。プライスレスの恋を実らせて、質素で幸せな部屋でハッピーエンドな暮らしをエンジョイしたい・・・そう思って、私は慈善団体の募金箱の穴に向けて有り金のすべてを放り投げました。」 PR Comment0 Comment Comment Form お名前name タイトルtitle メールアドレスmail address URLurl コメントcomment パスワードpassword