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@ゆりかごから墓場まで@

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撃たれた夢

日も暮れた帰り道、友人らと遊歩道を歩いていると見慣れない中東系の人とポツリポツリすれ違うようになる。だんだん人数が増えていくので何かと思っていると、通りすがりの人が「ここは奴らの溜り場になっている。いつ抗争が起こるかわからないから、関係のない人間は道を逸れたほうがいい」 と教えてくれた。見慣れた遊歩道は、さながら警戒地区のような雰囲気で、中東っぽい人たちは一般人と思われる男、女、子どももいたが、中にはテレビで見るような白い民族衣装を着た男もいた。民族衣装の男たちがヤバそうだと思いながら、遊歩道を出て表の車道へ抜けた。

 表へ出たものの少し気になったので、車道と遊歩道を隔てる生垣の隙間から来た道を振り返るぐらいの気持ちでのぞいて見る。すると、ちょうど生垣近くからこちら側を見ていた民族衣装の男と目があう。何を言っているかわからないが、たぶん「スパイだ!! 秘密を知られたぞ!!」 というようなことを叫んだのだろう。別の男がこれに反応して銃を構え、こちらに向かって撃ってきた。一発、撃った弾は私の腹を貫通した。その場で腹を抱えて倒れてみたものの、苦しさも痛みもなく、気持ちとしては驚いてひっくり返ったような感じだった。

 傷を手当てしなければならないから、病院へ行こうということになる。「奴らからの攻撃なら直接病院に行くのは危ないので、隠密に向かわなければならない」 と誰かの手引きがあって裏ルートを持っているというコンビニに入った。セブンイレブンだ。コンビニの店員に事情を説明するとレジカウンターの奥の扉へ入るよう促される。(どうやら、敷地一帯の地主一家がフランチャイズ契約で経営しているコンビニらしい) 店の奥は作業場になっていて、これまたアラブ系の、子どもと言ってもいいぐらいの若い人たちが何かを作っている。そこを通り抜けて、車庫に移動し、友人らも一緒に車に乗せられる。私は助手席に座った。

 車は見たこともない道を行き、途中で例の民族衣装の男らの車と鉢合わせて追い回されながらも、なんとか病院にたどり着いた。とても病院には見えない建物だったが、これも目くらましのためらしい。中は大きな駅の構内に似ており、だだっ広い空間が広がっている。誰もいない。暗い。高さがあるのか真っ黒く見える天井は星の少ない夜空のようで、小さな光が点々と灯っている。エスカレーターに向かって歩くように言われたので、友人1人に付き添われながら、それがあると思った方向へ当てずっぽうに行った。

 歩いていると、来たときには気づかなかったが、砂の塊のようなものがあたりを吹き抜けていくのが見えた。床を見ても、巻き上げられる砂は痕跡すらないというのに。不思議な現象だ。塊はいくつもあった。空気の流れはなく、砂にぶつかっても感触はない。映像だけのようだった。
 よく目を凝らしてみると人の形をしていることに気がついた。皆、通行人風で、これをちゃんと人として見たとき、この閑散とした建物の中は人通りの多い駅の見慣れた景色になる。それに気が付いたからと言って、実体として見えるのは私たちと建物の空間だけで、あとはすべて幻の砂嵐だった。砂の人たちはまるで私たちを気にする様子はない。
 私は腹を押さえている手を砂嵐に差し伸べた。母子の形をした塊の子どものほうを撫でるつもりで頭を掴むと、手の中で砂粒の細かい感触がある。開いた手のひらから砂がこぼれ落ちた。触れなければすり抜けるが、触れようとすれば存在を確かめられる。しかし、彼らは砂なのだ。
 人影のことは気にしないようにしながら、私たちは砂嵐の中を進み、エスカレーターを上った。

 上の階は娯楽施設らしく遊具が並んでいた。砂嵐の人影もなく、遊ぶ人間のいないUFOキャッチャーの機械や、卓球台や、ビリアードのテーブルが置いてある。遊具の群れから外れたところに、壊れた卓球台の天板が置いてあった。砂にまみれている。砂と崩壊のイメージが重なり、下の階の人影が途端に死人のように思えてゾっとなる。

 闇雲に進んでいくと、突然、蛍光灯の鋭い光が四角く浮かび上がった。押しボタン式の自動扉があって、向こう側に病院の待合い所があるのが見えた。中へ入ると、扉の近くまでやってきた医者が4、5人列になって出迎えてくれた。


 * * *

開店時刻のデパートかよ。
砂の人たちは居てもいなくても同じな人たちで、そんなのみんな死人と一緒だよね、みたいなことなのかもしれない。

2013年に見た夢のメモ。

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