2016/03/14 Category : 夢を書き留めたメモ 撃たれた夢 あ日も暮れた帰り道、友人らと遊歩道を歩いていると見慣れない中東系の人とポツリポツリすれ違うようになる。だんだん人数が増えていくので何かと思っていると、通りすがりの人が「ここは奴らの溜り場になっている。いつ抗争が起こるかわからないから、関係のない人間は道を逸れたほうがいい」 と教えてくれた。見慣れた遊歩道は、さながら警戒地区のような雰囲気で、中東っぽい人たちは一般人と思われる男、女、子どももいたが、中にはテレビで見るような白い民族衣装を着た男もいた。民族衣装の男たちがヤバそうだと思いながら、遊歩道を出て表の車道へ抜けた。 表へ出たものの少し気になったので、車道と遊歩道を隔てる生垣の隙間から来た道を振り返るぐらいの気持ちでのぞいて見る。すると、ちょうど生垣近くからこちら側を見ていた民族衣装の男と目があう。何を言っているかわからないが、たぶん「スパイだ!! 秘密を知られたぞ!!」 というようなことを叫んだのだろう。別の男がこれに反応して銃を構え、こちらに向かって撃ってきた。一発、撃った弾は私の腹を貫通した。その場で腹を抱えて倒れてみたものの、苦しさも痛みもなく、気持ちとしては驚いてひっくり返ったような感じだった。 傷を手当てしなければならないから、病院へ行こうということになる。「奴らからの攻撃なら直接病院に行くのは危ないので、隠密に向かわなければならない」 と誰かの手引きがあって裏ルートを持っているというコンビニに入った。セブンイレブンだ。コンビニの店員に事情を説明するとレジカウンターの奥の扉へ入るよう促される。(どうやら、敷地一帯の地主一家がフランチャイズ契約で経営しているコンビニらしい) 店の奥は作業場になっていて、これまたアラブ系の、子どもと言ってもいいぐらいの若い人たちが何かを作っている。そこを通り抜けて、車庫に移動し、友人らも一緒に車に乗せられる。私は助手席に座った。 車は見たこともない道を行き、途中で例の民族衣装の男らの車と鉢合わせて追い回されながらも、なんとか病院にたどり着いた。とても病院には見えない建物だったが、これも目くらましのためらしい。中は大きな駅の構内に似ており、だだっ広い空間が広がっている。誰もいない。暗い。高さがあるのか真っ黒く見える天井は星の少ない夜空のようで、小さな光が点々と灯っている。エスカレーターに向かって歩くように言われたので、友人1人に付き添われながら、それがあると思った方向へ当てずっぽうに行った。 歩いていると、来たときには気づかなかったが、砂の塊のようなものがあたりを吹き抜けていくのが見えた。床を見ても、巻き上げられる砂は痕跡すらないというのに。不思議な現象だ。塊はいくつもあった。空気の流れはなく、砂にぶつかっても感触はない。映像だけのようだった。 よく目を凝らしてみると人の形をしていることに気がついた。皆、通行人風で、これをちゃんと人として見たとき、この閑散とした建物の中は人通りの多い駅の見慣れた景色になる。それに気が付いたからと言って、実体として見えるのは私たちと建物の空間だけで、あとはすべて幻の砂嵐だった。砂の人たちはまるで私たちを気にする様子はない。 私は腹を押さえている手を砂嵐に差し伸べた。母子の形をした塊の子どものほうを撫でるつもりで頭を掴むと、手の中で砂粒の細かい感触がある。開いた手のひらから砂がこぼれ落ちた。触れなければすり抜けるが、触れようとすれば存在を確かめられる。しかし、彼らは砂なのだ。 人影のことは気にしないようにしながら、私たちは砂嵐の中を進み、エスカレーターを上った。 上の階は娯楽施設らしく遊具が並んでいた。砂嵐の人影もなく、遊ぶ人間のいないUFOキャッチャーの機械や、卓球台や、ビリアードのテーブルが置いてある。遊具の群れから外れたところに、壊れた卓球台の天板が置いてあった。砂にまみれている。砂と崩壊のイメージが重なり、下の階の人影が途端に死人のように思えてゾっとなる。 闇雲に進んでいくと、突然、蛍光灯の鋭い光が四角く浮かび上がった。押しボタン式の自動扉があって、向こう側に病院の待合い所があるのが見えた。中へ入ると、扉の近くまでやってきた医者が4、5人列になって出迎えてくれた。 * * *開店時刻のデパートかよ。砂の人たちは居てもいなくても同じな人たちで、そんなのみんな死人と一緒だよね、みたいなことなのかもしれない。2013年に見た夢のメモ。 PR
2016/03/12 Category : 夢を書き留めたメモ 庭に子どもが入り込んで遊んでいた あ庭に子どもが入り込んで遊んでいた。庭は現実と様子がだいぶ違っていて、多少広いように思えた。1メートルぐらいの低い生垣に囲まれた敷地の一面は芝生で覆われている。何本か低木を植えて道や広場のように整備されているが、すこし歩ける程度で運動できるほどではない。植わっている植物に実が生ってるとか花が綺麗みたいな面白いところはないし、遊具が置いてあるわけでもない。子どもが何を目当てにやって来るかは謎だ。(物が密集していながら秩序の確保された狭い空間に秘密基地的魅力があるのかもしれない、とは思う) どうやら、生垣の隙間から侵入してきているらしかった。 私は起き抜けで寝間着のままだった。家の中から様子を見ていた。家じゅうの電気はつけていず、窓からの自然光で明かりとりする部屋の中は薄暗い。庭へ通じる掃き出し窓からぼんやりと、レースカーテン越しでは向こう側は白く霞んで見える。 2つ、影が横切った。男の子が2人、生垣から這い出てきた姿勢そのままで、奥行の半ばあたりを左へ向かって移動した。途中で私の視線に気づいたらしく、一瞬だけ気まずそうにこちらを見たが、逃げるそぶりはなく居座った。さらにもう1人、入ってきた女の子は彼らとは関係がない様子で窓近くの踏み石のところに蝋石で絵を描きはじめる。 不法侵入だ。私は大声で注意した。閉め切ったガラス戸とカーテンに阻まれているのでそれぐらいの勢いはいる。子どものやることだから見過ごそうとも思ったが、2人から3人へ増えた子どもの数は脅威だった。これ以上たまり場にされるのは迷惑だ……などという気持ちは届かなかったらしく、子どもたちは物おじせずに堂々と遊びつづける。あきらめて遮光カーテンを引いた。 現実と同じで、庭へ出られる窓は2つある。間取りが隣り合っているリビングと和室の2か所だ。今まではリビング側から見ていた。 いい加減着替えようと思い、タンスのある和室へ移動する。和室側の窓は手前に置かれた洋服掛けのために1.5メートルほどの距離が塞がれて近づけない状態だ。かなりの量の背広が下がっているので、こちら側からも庭のほうからも様子は見えづらくなっている。窓の障子戸が閉まっているのに安心して、弱い光をたよりにタンスから着替えを取り出す。服を脱ぎはじめたところで、ふと、洋服かけの向こうの窓から風が吹き込んでくるのを感じた。 明るい。窓の鍵が閉まっていなかった。 庭に侵入してきたと思われる母子2組が家の中にまで入ってこようとしていた。母親を追い抜いて1番乗りで駆け入ってきた男の子は、得意になって自分の母親になにやら言っている。彼の母親は西洋人の風貌をしていた。もう1人のほうはアジア人風でおしゃれな格好をしていた。2人とも若くて美人だ。 母親たちは談笑しながら機嫌の良い様子である。どちらかといえば西洋人の親子のほうがためらいなく家に入ってこようとしており、アジア人のほうもさも当然と言う風だった。私が入ってくるなと言ってもお構いなしで、逆に、トイレなどの設備を使わせろと言ってくる。 和室から廊下までをずいずい進む彼女たちに押されるようにして、すっかり侵入を許してしまった。その勢いのまま、おしゃれな格好をした母親は私の大切なものがしまってある部屋(夢の中の架空の部屋) へ、まったく気遣う様子もなく子どもと一緒に入っていく。そして、当然のようにそこにあるものを使って子どもをあやしはじめたのだった。 私は西洋人の母親の息子のほうを捕まえてリビング側の窓まで引きずった。カーテンとガラス戸を開け放ち、子どもを庭に放り投げた。芝生の上に仰向けに転がった子どもは何が起こったのか、どうしてこんなことになってしまったのかわからない、という顔をしてこちらを見ていた。* * *わたしは悪くないと思うんだ。でも、最後に投げられた子どもにはわかんねぇだろーなぁ……。2013年に見た夢のメモ。
2012/12/05 Category : 夢を書き留めたメモ しらたき 家族4人でどこか山間の蕎麦屋によった。とても高級な店らしい。髪を後ろに高く結い上げて藤色の着物を着た年かさの女将がでてきたのがいかにも“高級な和風料理屋”のイメージの典型だった。座敷に通され、名簿に記名するように言われたので、父、母、私、兄の順繰りに書いていくのだけれど、私は名前を書き損じてしまった。女将にそれを告げると、ものすごい勢いで罵られる。本来なら来店サービスで粗品を渡すのだが、その気が失せたと言う。部屋の掃除など雑務をこなす役職と思しき中年の男が粗品をチラ見せしに来る。木の盆の上に金の皿2枚と銀の皿が2枚の計4枚。うち2枚には先ほど記名した父と母の名前が2人の筆跡のとおり絵付けされている。こんな良い品をもらえるはずだったのに、私が名前を書き損じたせいでダメになってしまったことが悔しい。せめて、キレイに出来上がってる父と母の皿だけでももらえないものか、と懇願しても女将は相変わらず腹を立てた様子でけなしにかかってくる。私もイライラして女将に食ってかかり、店員たちを怯ませようと中年の男が持っている皿の乗った盆を叩き落とした。蛮行は女将をさらに怒らせた。女将は男に指図して、引きとめようとする両親を後目に、私を店の奥へ連れて行かせた。私は厨房の手前にある畳の部屋(休憩室か?)に連れてこられた。そこには若女将と思しき女性が全裸で着物の上に倒れている。何かがあったらしい。その隣で待つように言われて気が気でなかった。冷静になろうとそこにあるものを観察しようとする。しかし、どうしても女性の裸体に目がいく。気絶しているらしい女は苦悶の表情を浮かべている。彼女の身に何があったのか深くは考えないことにして、何とはなしに片方の乳房を揉んでみた。なんと、乳首からかえるの卵のような太さのしらたきみたいなものが勢いよく絞り出てきた。驚き、気持ちが悪いと思いつつ、面白がって両方の乳房からしらたきを絞り出し続けた。途切れることなく出てきたしらたきは女性の顔や胸の上にうねりながら堆積している。なんとなく卑猥な感じがする。と、先の中年の男が入ってきて、女がしらたき(?)まみれになっているところを見るなり怒鳴りかかってきた。私は気が動転して、そこにあった棒状のもので女性の腹のあたりをめった刺しにしてしまった。どこからともなく赤ん坊の泣き声が聞こえた。女性はしらたき(?)と血にまみれて死んでしまった。男と乱闘になる。攻防の末、男に棒をとりあげられ、私が刺されそうになる。間一髪のところで父親が助けに来た。棒で刺されたと思しい全裸の女の死体と、棒を持った男がいる現場だ。私は殺人やしらたきを搾り出した罪をすべて男に擦り付けて、その場を父に任せて逃げることにした。私は母を連れて逃げた。道から外れた林の中を逃げた。そこは傾斜で泥がすべる。斜面の落差のおかげでこちらの様子を気づかれないように舗装された正道をうかがう事が出来た。私たちをさがしているらしい人々がうろついている。見つかりそうになるたびに、身を小さくして木の影に隠れた。そうしてやりすごしながら山の奥へ入っていくと、追っ手の姿が見えなくなっていった。追っ手ではない人の姿も見えなくなった。もう、ここらあたりには誰もいない。気を緩めて薄暗い林の中を歩いていると、白い建物と出くわした。団地のマンションのような建物で階段を隔て、向かい合わせに二世帯ぶんの部屋のついた4階建てで、それが縦に、丁度階段部分のところからくずれて、片方の部屋は完全に損壊している。残り半分の、向かい合っている部屋のほうは4階部分の天上がなくなってはいるものの、それより下の階は部屋の形を保っていた。2階のベランダの窓から中の奥行きを覗くと粗大ゴミのように積み重なった家具が散らかっていた。どうやら、もっと高いところに建っていたものが、土砂崩れか何かでここまで落ちてきたらしい。それが手つかずのまま放置されているようだ。私も母も廃屋に油断していた。上のほうからシャッター音が聞こえた。音のほうを見上げると建物の3階ベランダから髪の長い人物がこちらにケータイを向けていた。フラッシュはしつこく点滅した。こちらが気がついても怯むことなく撮影を続ける。カメラから動画にモードに切り替えたらしく、じっとケータイをこちらに向けていた。撮影をやめさせて、ケータイを奪い取ろうとも思ったが、建物の階段は壊れていてそこへ行くのは不可能と踏んだ。はやくここから立ち去ったほうが良いと判断して、相手を睨みつけながら建物から後ずさるように離れていった。すると、男の声で、笑う声が聞こえた。「この情報をオークションで売ってやろう。いくらの値がつくだろう。重要参考情報だ。きっと高騰するに違いない」逃げる途中で母とはぐれてしまった。私は一人、ススキ畑のようなところに出た。目の前は一面枯れた草に覆われて、それが向かいの山まで続いていた。野原一帯の空を被うものはなく清々しい。開けた場所に来た開放感をしばらくの間味わった。枯れ草の丈は私の腰より少し高いぐらいで、身を屈めれば姿を隠せる。この中を移動しようと決心して、野原に足を踏み入れた。視界は密生した葉や茎ばかり、そこを中腰のままひたすら駆けた。どうやら、向かいの山にたどり着いたらしい。私はそこで小学生ぐらいの子どもばかりの群れに合流して、雑木林の中に秘密基地のような小さな村を作って暮らしていた。私自身、同じ年頃の外見をしていた。(本当はもっと歳をとっていたはずだ) 子どもたちは私を信頼していた。私が競争に強かったからだ。同じように村を形成しているほかの子どもの群れとの戦いに備えて、早く走るための準備を整えていた。子どもたちは私の素性を知らない。私は一人、過去の罪を振り返っておびえていた。私の憶え違いでなければ、私は女を強姦して殺した。 * * *・・・という、なんかすごく面倒くさい夢をみました。久々に面白かったのでメモっておく。自分の性別が男なのか女なのか。最初は女だった気がするけれど、途中から男になっていると思う。最後は完璧に男の子になってます。流石、夢!
2011/03/31 Category : 夢を書き留めたメモ 変な夢 うたたねしたら変な夢を見てしまった。どうやら私はハリネズミを飼っているらしい。散歩に出かけたときにリュックサックに入れて連れまわしたときのまま2日ぐらい放置していたことを思い出した。リュックサックは先ほど探しものをしているときに乱雑に放り投げたりしたのだけれど、中の生き物は大丈夫なのか、と恐る恐る中身を見ると子猫程度の大きさのハリネズミは丸まって眠っていた。ハリネズミは取り出すと目を開けてそわそわしだす。床においてやると目に付いたものを咥えて飲み込もうとするので、そのたびに口をこじ開けて奪い取っていた。激しく暴れるので噛み付かれたり引っ掻かれたりするのではないかと恐ろしかったが、ハリネズミは自分の興味のことしか頭にないらしい。私は行為の邪魔をする・・・どうかすると、私が故意に邪魔をしているとは認識されてはいず、単に障害物として認識されているのかもしれないけれど・・・そういう存在を取り除こうなどという知恵はないようで、私の手を跳ね除けることも、指に噛み付くこともなかった。拘束をといてやると何事もなかったかのように落し物を探す作業を再開する。そんなやり取りをくり返していて、一つだけ“何か”を飲み込むのを阻止できずにハリネズミのおなかの事が心配になったりもしたのだが ―― そんなことに構ってやる間もなくハリネズミは次々に何かを探し当てては飲み込もうとした。時間が経つにつれてハリネズミは徐々に巨大化していた。床を歩き回らせるとガラクタを飲み込んで危険だと思ったので、眠らせてしまおうと思いリビングの椅子に座って、ハリネズミを膝に乗せ、なだめてやる。既に大型犬程度の大きさに成長し、犬にたてがみをつけたような姿になっており、とてもハリネズミとはいえないものに変化していた。にも関わらず、私はこれをハリネズミと言い張る事が出来た。なにせ、ハリネズミだったのだから!私の肩に頭を乗せて抱きつくような姿勢で眠るハリネズミを私はちっとも可愛いとは思えなかった。私も眠くなってきた。ハリネズミを抱いたまま眠りたくはなかったので、こいつを床においてやって部屋で眠ろうと思った。ハリネズミは私が立ち上がるときに少し目を覚ましたが床に置いてやったらそのまま眠ってしまった。気温が上がって今はつけていないストーブの前に大きなメスライオンのヌイグルミがおいてある、その近くに置いてやったのだけれど・・・そこで、ふと気が付いた。こいつはもう、ハリネズミじゃない!!父と母を呼び寄せて、ハリネズミがライオンと化していることを知らせた。どうしてこんなことが起こってしまったのだろう?確か、と私は考えた。そういえば、ライオンとハリネズミは別の言語圏では同じ言葉を使って言いあらわされていたりしなかっただろうか?例えば英語で「○○ライオン」などとハリネズミを表現していたような気がする。それならば仕方が無い。そもそもハリネズミはライオンになるものだったのだから。けれど、いつまでもこのライオンを家に置いておくわけにはいかない。いつ歯向かってきて怪我をするかしれないから。私はきっと深手を負うだろう。四肢を投げ出して顔をこちら側に向けて横向きに眠るライオンの前足を覗き込むと巨大な肉きゅうが軟らかそうで、それをつついても起きる様子のない穏やかな寝顔。閉じた目は目じりが下がり、口の端は持ち上がって笑顔のように見えるので、ライオンが少し可愛らしく思えたのだけれど。 続きます
2009/11/07 Category : 夢を書き留めたメモ 夢の中でおでかけしたよ。 今日は具合が悪くてずーっと寝ていました。 朝ごはんには起きられず、目が覚めたら1時過ぎ。菓子パン2種類にインスタントラーメンという結構な分量の昼ごはんを食べて、またすぐに寝る。それから5時ぐらいまで起きないという……なにやら牛だか豚だかになりそうな不健康な一日をおくったのでした。ん? 具合が悪かったという事はすでに健康ではない? まあ、いいや。早く寝よう。・ ・ ・ 楽しい夢をみました。 < 大丈夫か!? 自分の部屋の窓から外を見ると観光バスの内装になっていた。向こう側の窓枠にはピンクのカーテンがついていて、それがいかにも観光バスという風情。私の部屋からはひとりぶんの座席が見えるのだけど(向こうからも私の部屋が見える)、そこに中学生ぐらいの女の子が座っている。私もそれぐらいまで若返っているという設定になっていたので、その子もわたしも同い年。観光バスの女子が私の部屋をじっと見ているので、自分の部屋側のカーテンを閉めてしまおうと近づいていったら向こうの女子の声が聞こえる。私に何か話しかけてきているらしい。それから閉まった窓ガラス越しにしばらく話をしていたら、この観光バスはなんなのか、という話題に及ぶ。すると、突然、窓が透けて私も観光バスのほうに引き入れられてしまう。女子の隣に腰掛けて(わたしが窓側に座る)座席のベルトを締めた。 バスが動き出すと、窓は置き去りで座席だけが動いているようだった。足元をみると線路のようなものが見える。それに従って座席は進んでいく。これはジェットコースターだ!!街中を、ビルの間を行くようにコースができていた。線路ははしご型のものだけで、それを支えるほかの柱とか鉄筋とかいうものはなかった。はしご型の道は道路だけでなく空中にもつづいていた。道路の上を走っていたと思ったら、信号や標識を飛び越えて、ひっくり返ってビルの5階窓ぐらいの高さまでのぼったりする。車や人が見えるけれど、向こうからはこのコースターが見えないようで、誰一人こちらを気に留める様子がない。先に見える線路が心なしか半透明に見えるのを根拠に、おそらくコースターも線路も乗客も、普通の人には見えないに違いないと思う。 コースターは横浜、東京、秋葉原・・・など日本の首都圏観光地をまわり(横浜は外れるな)、わたしは隣の女子とはしゃぎながら風景を見ていた。夜景だったり昼間だったり時間帯はめちゃくちゃで、街の様子も実際とは異なっているけれど、街に突入する直前にいちいち電車の駅看板に似たものが建っていて、それをみながら場所を確認していた。街から街をビュンビュン行きながら、遠くにビル群が見えるたびに次はどこの街だろう、とはしゃいでいた。 どれぐらいの街を走り抜けてきたかは分からないけれど、しばらくして、向こうのほうに大きなゴリラの立像が見えてきた。……都筑まもる君だ!!わたしの地元にある交通安全のマスコットキャラクターである。地元に帰ってきたということは、もうすぐこのコースターも終わりなのかとそんな予感がした。しかし、現在の港北ニュータウン地区にしては緑がうっそうとしていて、まだ開発が進んでいない頃の、丁度わたしが中学に入る以前のような風景だ。そんなことを懐かしく思いながら、雄たけびをあげる都筑まもる君が遠のいていくのを見送る。 見慣れない大きな建物のある街に入った。慣れないけれど、見覚えがある。ここはどこだろう、と考えていたら例の看板が見えてきて「たまプラーザ」とあった。つい最近(現実に)、駅前のデパートを改装して駅と直結させる工事が終わった。改装後のデパートはまだ一度しか見て回ってないので、見慣れないのも仕方がないと思う(夢だから色々めちゃくちゃだというのもあるけれど)。駅近辺にあるバスロータリーでコースターは終わった。止まる直前に座席はバスの外装におおわれて、停止する頃には元の観光バスになっていた。バスはまだこの先を行くようだけれど、わたしと隣に座った女子はここで降りる事になっていたので降車する。わたしが先に降りて、女子を待っていたが降りてこない。そのままバスは行きそうになったが、3メートルぐらい進んだところで一旦停車して女子を降ろしてから、行ってしまった。わたしと女子以外の乗客は降車せずにそのままバスに揺られていった。 わたしはこのバス旅行がものすごく楽しかったので、また乗りたいと思って、バスの事を知りたいと思う。バス停の周りには商店が立ち並んでいて(実際はない。アーケード街のようなごちゃごちゃした店先。)、そこの一軒の小物屋にはいる。店主のおばさんにバスの事を聞いてみたら「あの観光バスは宗教団体が運営してるのよ」と言われて、なんだか後ろめたい気持ちになった。